ロサ・オリエンティスのこと( バラを育てて知ったこと・その12 ) |
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2017年 01月 24日
ロサ・オリエンティスと木村卓功さんは、日本で今最も注目されているブランド、育種家だと思います。
「日本の気候や栽培環境、そして日本人の嗜好にあったバラ」を目標にしてきた木村卓功さん。 鈴木省三氏から脈々と受け継がれてきた日本の育種が、現在到達している地点、それをよく表しているのが、ロサ・オリエンティスだと思います。もちろん、多くの育種家の試みの「交響」の中から、ロサ・オリエンティスは姿を表しているのですけれど。 ロサ・オリエンティスのカタログの冒頭には、木村卓功さんの育種観の背景が述べられていて、心打たれます。 「バラを生業とし、育種を志し、 日々バラと汗にまみれ、土まみれになって生きているうちに、 時折ふっと、その理想像が浮かび上がってくるのでした。」 育種家にはこのような体験があることを、私たちは忘れてはならないと思います。 ロサ・オリエンティス( Rosa Orientis [ラテン語]=オリエントのバラ)というブランド名は、ヨーロッパを強く意識したものでしょう。 それは、「イギリス、フランスのバラの育種家を訪ねて」[『ガーデンダイアリーVol.5』]や「美しいバラの誕生」[『ガーデンダイアリーVol.6』]などにも、よく表れています。多分、木村さんのなかには、初めから「ヨーロッパに打って出る」という気持ちがあったのだと思います。 昨年の秋からフランスで販売が始まったというシェエラザードとダフネは、どう受け取られているのでしょうか? ただ、ヨーロッパで日本のバラを売り出そうとする時、21世紀になってもなお「オリエント」という語を使わなければならないのは、ちょっと悲しい感じがします。 ロサ・オリエンティスを「アジアのバラ」あるいは「東洋のバラ」と訳している場合もありますが、疑問です。「東方のバラ」という広い意味で使っても、問題は残るでしょう。「オリエント」という語には、強い歴史性があるからです。 もともと「オリエント」は、ローマから見て東方を指す語から生まれました。そこから「オリエント」は、ほぼ現在の中東地域を指す語となりました。それだけではありません。「オリエント」や「オリエンタル」という語は、<ヨーロッパ vs アジア>という思考の枠組みと一体です。言い換えれば、ヨーロッパ優位の歴史観・文化観がまとわりついている語なのです。 「オリエント」という語を使わないという選択もあったのではないでしょうか? 「日本」を前面に出してもよかったと思います。すでに19世紀後半には、ジャポニスムという語が使われました。また現在は、日本のマンガやアニメがヨーロッパで自然に受け入れられている現実があります。 今、切に求められているのは、<ヨーロッパ vs アジア>という思考の枠組みから自由になることだと思います。バラの世界においても。 少し話が逸れてしまいましたが、ロサ・オリエンティスと木村卓功さんへの敬意は変わりません。 小さな庭にも、ロサ・オリエンティスのバラが増えていくと思います。 ➡「ロサ・オリエンティスのこと②」を、2017年6月6日に書いています。[カテゴリーは「バラを育てて知ったこと」です。]【追記】 ♥<小さな庭>においでいただき、ありがとうございました。♥
by sk1ro
| 2017-01-24 12:14
| バラを育てて知ったこと
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